研究成果 新たなグリーンボンドの価格モデルを提案-グリーンボンドにおけるグリーンネスの金利引き下げ効果を確率的挙動として実証、この結果が今後、実務における更なるグリーンボンド発行の後押しに-
既存の研究では、グリーンボンドの便益である金利引き下げ効果は時間的に一定値として捉えられてきましたが、実際はCOVID-19などの外生的要因によって時間的に変動することが予想されます。
このたび金村 宗准教授は、グリーンボンドの金利引き下げ効果を示すグリーンボンドプレミアム(GBP)を確率過程で表現する、新たなグリーンボンド価格モデルを提案し、米国と欧州のグリーンボンド指数を用いた分析によって、中長期的には負の値に収束するGBPの確率的挙動を実証しました。加えて、グリーンボンドの便益として、グリーンボンドのグリーンネスによる金利押し下げ効果は、COVID-19などの危機時に拡大するとともに、流動性リスクを緩和する効果があることを示しました。これらの研究成果が今後、実務において更なるグリーンボンドの発行を後押しすることが期待されます。
本研究成果は2024年12月3日に、Stochastic behavior of green bond premiumsと題する論文として国際学術誌「International Review of Financial Analysis誌(エルゼビア社:IRFA)」に掲載されました。IRFAはBUSINESS, FINANCE分野のTop10%ジャーナルです。
https://doi.org/10.1016/j.irfa.2024.103836